7.ハウルはなぜ浮気性なのか
映画ではぼかされていますが、ハウルは、なぜ、女の子にかたっぱしから声をかけるのでしょうか?
カルシファー「ハウルは移り気なのさ」
「女の子に興味を持っているのは、相手が恋に落ちるまでだね。相手がハウルにほれたとたん、もうどうでもよくなるわけ。
」
小説ではソフィーはハウルに直接問いただします。
ソフィー「あたしの言ってるのは、相手を恋に誘い込んだとたん、ご婦人をふるあんたのやり方のこと。どうしてそんなことするのさ?」
ハウルは震える手でベッドの天蓋をさし示しました。
「だから、ぼくはクモが好きなんだ。『もし最初は成功しなくても、何度でもためせ 、ためせ』ぼくもクモも何度でもためしてみる。」
ハウルはとても悲しそうです。
「自業自得だな。何年も前に取引をしたせいだ。だから、今じゃ誰もまともに愛せないんだろう」
ハウルの目から流れ落ちているのが涙であることはもう間違いありません。
つまり、ハウルが相手を恋に誘いこんだとたんに、相手に興味をなくしてふるのは、カルシファーとの契約が原因であることがわかります
。
では、なぜカルシファーとの契約がそのような事態を引き起こしたのでしょうか?
小説版では、自分の体の一部を失っている人物が3人登場します。
ハウルと、ジャスティン殿下と、魔法使いサリマンです。
そして、ジャスティン殿下もサリマンも、どうにか、失われた身体を取り戻そうとします。
となると、明言はしていませんが、ハウルも、自分が取引で失ったもの=心臓を取り戻そうとしていると考えるべきでしょう。
しかし、カルシファーとの契約で自分の心臓を取り戻すことはできません。
そのために、その代償行為として、多くの女性の心(=ハート=心臓)を得ることに生きがいを見出しているのです。
ですから、自分自身に心臓が戻ったとたん、ハウルの浮気性はなくなります。
(参照#12.彼らはあの後どうなったのか)
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