イデオンを初めて見たのはいつだったろうか?
おそらく、小学生の頃、再放送で、てきとうに目にしたことがあったと思う。
その時、印象に残っていたのは、主題歌、終わりの歌、コスモの顔(というか髪型)ぐらいだった。
それでも、映画化されたさいは、ガンダムブームの余波もあり、一応見に行った。
その時の記憶は2点。
・怖くなるほどの凄絶さ
・男の子10人ぐらいで行ったので、ラストはちょっと気恥ずかしかった。

ストーリーそのものは、あまり深くは理解していなかったと思う。
とりあえず、それなりのインパクトをうけ、イデオンとソロシップのプラモデルを作り、そして、後はきれいに忘れていた。

その後、、高校をすぎるころから、ロボットアニメなど見ることもなくなっていた。
会社員になって、しばらくしてから、友人から「新世紀エヴァンゲリオン」を強く薦められた。今さらロボットアニメ・・と、正直、気乗りしなかったのを覚えている。
ところが見てみると結構面白い。自分の中で、以前のロボットアニメのどれよりもはまり出したのは、16話からであり、特に19話以降は、完全に虜になった。
それがエヴァンゲリオンのホームページ作成につながっていくわけだが、そのさいに、いろいろ調べていくと、どうもイデオンにかなり似た点があることがわかった。
そこで、先の友人から今度は、「伝説巨人イデオン」のビデオを借り、もう一度全て見直してみた。
すると、かなり古い作品であるにも関わらず、様々な点で魅力的であることに気付かされた。
個性が強すぎる登場人物。独特の美しさを持つ敵のメカ軍。奇妙に残酷な描写。謎の多い設定。
とくに映画では、美しい映像、音楽、ストーリー、どれをとっても、完璧な作品となっており、そのインパクトは、私の中では映画版のエヴァンゲリオンをはるかに超えていた。

この時の衝撃から、エヴァンゲリオンとイデオンを徹底的に比較してみようと思って作ったのが、「エヴァンゲリオンとイデオン」である。


また、一方、話は変わるが、ガンダムについては、自分が小学生の頃のブームから連綿と続き、最近では新たなるブームと化している。
これは、ある意味納得している反面、違和感もつきまとっていた。
確かに、面白い作品だが、Zガンダム以降は、ある面、商売主導でつながっているだけなのでは?という思いである。
そもそも富野監督は、ガンダムのシリーズ化に最も反対していた人であったはずだ。
それを、続編を作ることになったのは、純粋に商売上の会社の都合である。
富野監督が、本当に、テーマとしてガンダムの延長して作った作品は・・・それもイデオンではなかったか?
富野監督がなぜ、「イデオンの映画を製作するためにガンダムの映画を作った」と語ったかの主旨が、現在になってようやくわかった気がした。
また、富野監督が初代ガンダムシリーズの完結編とした「逆襲のシャア」のオリジナル版(映画会社に話しを変更される前のもの)が、イデオンに限りなく近いのも理解できた。
これらの思いから書いたのが、「ガンダムの唯一正当な後継者としてのイデオン」である。


さて、イデオンを見ていて、最後までよくわからなかったのが、結局「イデ」とは何だったのか?である。
これを、自分なりに考え抜いてみたのが、「イデオン論」である。
この時は、丁度、「イデオンという伝説」という本が出版され、この中に、富野監督が製作時に書いていた「イデの発動に関するメモ」というのがあったので、これを利用できたのは幸運だった。
自分なりに満足できるレベルまで考えたのだが、ちょっと意味が不明確な文章になっているので、これはそのうち書き直したい。
また、最初に書いた「エヴァンゲリオンとイデオン」の時に比べ、ずいぶんイデオンの解釈が変わったので、これも、また整理したいと思う。


要するに、イデオンとは、一方ではガンダムのいきついたところであり、一方では、エヴァンゲリオンを生み出したものである。
そして、面白みという点では両作品に劣るものの、作品独自の悲劇性やインパクト、テーマ、凄みといった部分ではその2作品を超えているというのが、自分の、イデオンに関する現在のイメージである。


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イデオン雑感