宮崎監督によるルパン三世の構想案(若者案) 1982年の講演より まア、それはともかく「ルパン」の将来を考えてみたとき、ぼくは、もっとおもしろくなると信じているんです。 そのためには、モンキー・パンチの原作からもっと離れて、キャラクターを全部、若者にしなければいけません。 ルパンも次元も五右衛門も、全員スカンピンでなきゃいけないと思います。 彼らは、これから自分の人生というか、生きていく場所を見つけていく男たちなんですよ。 次元なんて、ダンディなつもりでいますけど、よく見れば田舎っぽいですよ。 ツンツルテンの上着を着て、ヨレヨレの帽子をかぶり、それでピストルだけが上手な男です。それが、これからなにをやっていこうと企てている。 設定としては、アリゾナの田舎町の整備工場でクルマをいじっている、というようなのがいいですね。 五右衛門はよくわからない人だけど、たとえば鎌倉のほうの滝にうたれても人生がなかなか見つからないような顔をしててほしいですよ。 そういった若い者が出会って生きていくとしたら、本当はもっとおもしろくなると思っています。 「ルパン」が登場した時代はすでに終わってしまったけれど、まったくリフレッシュして新しい男の3人組が登場するのも悪くないですね。 あともうひとり、峰不二子もリフレッシュして登場します。いまのキャバレーロンドンのコマーシャルガールみたいに肉体をチラつかせる女ではなく、男など関係なくカラッとして生きていける女として描くわけです。 そうなれば「ルパン」のシリーズも、どこかでまた再生するかもしれませんが、いまは、やっぱり「ルパン」は終わったと、本当に終わってしまったんァと、しみじみ感じているわけです。(拍手) (1982年の講演:ルパン三世との関わり 風の谷のナウシカガイドブックより抜粋)
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