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叛逆の物語 のバックアップの現在との差分(No.1) :: アニメの部屋

xpwiki:叛逆の物語 のバックアップの現在との差分(No.1)

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1: 2013-11-05 (火) 01:02:56 yasuaki[FOX1n2U6vCM] ソース[5] バックアップ No.1 を復元して編集[6] 現: 2013-11-09 (土) 11:11:19 yasuaki[rbEP0YNxgx2] ソース[7] 編集[8]
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-'''魔法少女まどか☆まぎか[新編]叛逆の物語'''+'''魔法少女まどか☆まぎか[新編]叛逆の物語の感想・あらすじ・考察'''
-TV版魔法少女☆まどかマギカおよび、その総集編である劇場版(前編/後編)に続く完全新作である。+TV版魔法少女まどかマギカおよび、その総集編である劇場版(前編/後編)に続く完全新作である。
-''感想(ネタばれなし)''+''感想(ネタバレなし)''
面白かったです。なんといっても、映像が凄かった。総集編のときも、大画面で魔女たちの幻想的な光景が見たくて映画館行ったのですが、あまりテレビと変わった感じがしませんでした。 面白かったです。なんといっても、映像が凄かった。総集編のときも、大画面で魔女たちの幻想的な光景が見たくて映画館行ったのですが、あまりテレビと変わった感じがしませんでした。
しかし、今回は、最初から映画向けに作られているせいか、すごい迫力かつ幻想的な映像美でした。 しかし、今回は、最初から映画向けに作られているせいか、すごい迫力かつ幻想的な映像美でした。
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パンフ買っていない人や、読んでもよくわからなかった人もいると思いますので、以下、あらすじを解説します。 パンフ買っていない人や、読んでもよくわからなかった人もいると思いますので、以下、あらすじを解説します。
-−−以下、ネタバレあり−−+−−''以下、ネタバレあり''−− 
以下、解説付きのあらすじ。 以下、解説付きのあらすじ。
''前回の話の確認'' ''前回の話の確認''
前作で最終的に、まどかは、すべての魔法少女の悲劇をなくすため、神のステージへとあがった(アルティメットまどか)。 前作で最終的に、まどかは、すべての魔法少女の悲劇をなくすため、神のステージへとあがった(アルティメットまどか)。
 +
 +&ref(20131102_164517.jpg,mw:320,mh:240,caption,アルティメットまどか。複製原画展より);
 +
さやかも、まどかに救済された。 さやかも、まどかに救済された。
世界は再編され、魔女はいなくなり、代わりにマジュウとの戦いが行われていた。魔女に倒されたマミや杏子も死んでいないことになったが、ほむら以外(マミ、杏子)はまどかの存在の記憶もなくしていた。 世界は再編され、魔女はいなくなり、代わりにマジュウとの戦いが行われていた。魔女に倒されたマミや杏子も死んでいないことになったが、ほむら以外(マミ、杏子)はまどかの存在の記憶もなくしていた。
ほむらはキュウべぇに、まどかの事を話した。 ほむらはキュウべぇに、まどかの事を話した。
-''叛逆の物語の前半 ほむらの妄想空間''+''叛逆の物語の前半 ほむらの結界''
キュウベぇは、まどかの存在を確認し、その力を利用できるように、ほむらを使うことを思いついた。 キュウベぇは、まどかの存在を確認し、その力を利用できるように、ほむらを使うことを思いついた。
-そして、ほむらを妄想の世界に閉じ込めることで、そこに接触するまどかを補足しようとした。 + 
-ほむらは、妄想空間の中で、自分の願望を実現させていた。 +そして、ほむらを外部から検知できない干渉遮断フィールドに閉じ込め、かつ、ほむらが魔女化しても自我を失わないようにソウルジェムを加工し、割れないようにした。 
-具体的には、また、5人で仲良く敵と戦う世界である。+ 
 +それにより、ほむらがまどかを自分から引き込むのを観測できるようにした。 
 + 
 +ほむらは、まどかの願い(全ての魔女を発生させなくする)が通らない干渉遮断フィールドの中で、ソウルジェムの中で魔女となり、自分の結界を張り、願望を実現させていた。 
 + 
 +−−ここから映画の冒頭−− 
 + 
 +ほむらが自分の結界の世界で妄想したのは、また、5人で仲良く敵と戦う世界である。
ほむらは、そのために敵としてナイトメア(悪夢)と戦う世界を設定した。 ほむらは、そのために敵としてナイトメア(悪夢)と戦う世界を設定した。
- 魔女じゃなくて、こんな敵と戦っていればよかったのに・・という思いがあった(パンフの虚淵さん発言)。+ 魔女じゃなくて、こんな敵と戦っていればよかったのに・・ 
 + という思いがあった(パンフの虚淵さん発言)。
そして、ほむらの思いは、現実世界から、まみと杏子を呼び込み、神側(円環の理)からまどかとさやかを呼びこむ。 そして、ほむらの思いは、現実世界から、まみと杏子を呼び込み、神側(円環の理)からまどかとさやかを呼びこむ。
Line 43: Line 55:
なぜそうしたかというと、ほむらは、自分の妄想空間に現れたまどかとの対話のなかで、まどかのつらさを知り、自分が肩代わりしたいと思っていたからである。 なぜそうしたかというと、ほむらは、自分の妄想空間に現れたまどかとの対話のなかで、まどかのつらさを知り、自分が肩代わりしたいと思っていたからである。
神の力を取り込んだほむらは、神と対等の力を持つ自分を悪魔と位置付ける。キュゥべえは、その力が自分たちで太刀打ちできないものであることを知る。 神の力を取り込んだほむらは、神と対等の力を持つ自分を悪魔と位置付ける。キュゥべえは、その力が自分たちで太刀打ちできないものであることを知る。
- しょせんは宇宙人レベルなので、なんだかんだいっても神様には適いませんね。(パンフの虚淵さん発言)+ しょせんは宇宙人レベルなので、 
 + なんだかんだいっても神様には適いませんね。 
 + (パンフの虚淵さん発言)
ただし、目的は、あくまで、まどかの救済であった。 ただし、目的は、あくまで、まどかの救済であった。
キュゥべえの狙いをまどかにつけさせず、かつ、まどかの孤独を救うためであった。 キュゥべえの狙いをまどかにつけさせず、かつ、まどかの孤独を救うためであった。
Line 59: Line 73:
 べべを出すことから、自然と6人目の魔法少女を出そうという  べべを出すことから、自然と6人目の魔法少女を出そうという
 話になりました。  話になりました。
 +
なぜお菓子の魔女だけ再登場したかについて、宮本監督は以下のように述べる。 なぜお菓子の魔女だけ再登場したかについて、宮本監督は以下のように述べる。
 魔女は本来たくさんいるので、その中から  魔女は本来たくさんいるので、その中から
-「お菓子の魔女だけ強調してピックアップするのは避けたい」と。  なぎさが登場したのは、今回「たまたま、なぎさが来てくれた」+ 「お菓子の魔女だけ強調してピックアップするのは避けたい」と。 
 + なぎさが登場したのは、今回「たまたま、なぎさが来てくれた」
 のであって「魔女の中で特別というわけじゃない」。  のであって「魔女の中で特別というわけじゃない」。
 ほかにも魔女たちがいるのだということを示すためにも、  ほかにも魔女たちがいるのだということを示すためにも、
 クライマックスに魔女の手下がたくさん出てくる  クライマックスに魔女の手下がたくさん出てくる
 ようになっています。  ようになっています。
 +
 +&ref(20131104_151513.jpg,mw:320,mh:240,caption,お菓子の魔女);
 +
つまり、前作でまどかが魔女たちを救済したわけだが、ほむらが自分の世界にまどかやさやかを引っ張ってきたさいに、元魔女の中から、一人いっしょにやってきたということだろう。 つまり、前作でまどかが魔女たちを救済したわけだが、ほむらが自分の世界にまどかやさやかを引っ張ってきたさいに、元魔女の中から、一人いっしょにやってきたということだろう。
Line 81: Line 100:
''考察'' ''考察''
虚淵さんインタビューによると、 虚淵さんインタビューによると、
- 「ほむらが魔女になり、その結界の中の物語」というアイデアです。 + 「ほむらが魔女になり、その結界の中の物語」という 
- ただ、当時は「まどかにほむらが連れられていく」という結末だったんです。 + アイデアです。 
- だから、今度こそ物語が完結してしまうなと思っていまし(笑)。+ ただ、当時は「まどかにほむらが連れられていく」という 
 + 結末だったんです。 
 + だから、今度こそ物語が完結してしまうな 
 + と思っていました(笑)。
 しかし、岩上さんも新房さんも  しかし、岩上さんも新房さんも
 「このあと続いていく物語にしたい」と考えていたようで、  「このあと続いていく物語にしたい」と考えていたようで、
 なかなかOKが出なかった。  なかなかOKが出なかった。
 それで、とことん悩んでいたときに、  それで、とことん悩んでいたときに、
- 新房さんがポロッと「いっそまどかとほむらが対立関係になってしまうのもありかもね」とおっしゃったんです。 + 新房さんがポロッと「いっそまどかとほむらが 
- そのひと言が突破口になりましたね。まどかと対になる存在に、ほむらをしちゃえばアリだなと。+ 対立関係になってしまうのもありかもね」 
 + とおっしゃったんです。 
 + そのひと言が突破口になりましたね。 
 + まどかと対になる存在に、ほむらをしちゃえばアリだなと。
この発言から、当初のプロットでは、ほむらがアルティメットまどかに救済され、ハッピーエンドで終わる物語であったことがわかる。 この発言から、当初のプロットでは、ほむらがアルティメットまどかに救済され、ハッピーエンドで終わる物語であったことがわかる。
- それが、悪魔として、叛逆の物語になったわけである。+それが、悪魔として、叛逆の物語になったわけである。
-これは、2つの観点から見て、まどか☆マギカのあるべき方向性だという気がした。 +これは、ある意味では、まどか☆マギカの本来あるべき方向性だという気がした。 
-ひとつは、まどか☆マギカというのは、基本的にゲーテのファウストをベースにした作品だからである。 +ひとつは、まどか☆マギカというのは、基本的にゲーテのファウストをベースにした作品である。 
-キュゥべえの「僕と契約して魔法少女になってよ」というのも、ワルプルギスの夜も、魔女のシーンで描かれている文字も、そこで歌われている歌も、基本的にはファウストからきている。+キュゥべえの「僕と契約して魔法少女になってよ」というのも、ワルプルギスの夜も、魔女のシーンで描かれている文字も、そこで歌われている歌も、基本的にはファウストからの引用である。
ファウストは、基本的には神と悪魔の対立が背景にある。 ファウストは、基本的には神と悪魔の対立が背景にある。
その点で、まどか☆マギカが、魔女と魔法少女の対立の物語から、神と悪魔の物語に移行したことは、自然な流れであるといえる。 その点で、まどか☆マギカが、魔女と魔法少女の対立の物語から、神と悪魔の物語に移行したことは、自然な流れであるといえる。
-しかし、実は、まどか☆マギカと最も奥の深い設定は、初期稿(プロダクションノートや、複製原画展にて公開された)にあった、ワルプルギスの夜だと考える。+しかし、実は私にとって望ましく思えたのは、まどか☆マギカのもっとも初期のアイデアが、形を変えて実現される様を見ることができた点である。 
 +それは、初期稿(プロダクションノートや、複製原画展にて公開された)にあった、ワルプルギスの夜の設定だ。 
 + 
 +&ref(20131104_151556.jpg,mw:320,mh:240,caption,ワルプルギスの夜(舞台装置の魔女));
-初期稿においてはワルプルギスの夜(舞台装置の魔女)には、実は物語をそもそも作っている劇作家が登場する。そして、悲しみを救うために、すべての登場人物がシナリオ通りに動くことで、あくまで役者として存在することで、悲しみを取り払わせる魔女という設定であった。 +初期稿においてはワルプルギスの夜(舞台装置の魔女)には、物語を作っている劇作家が登場する。そして、人々の悲しみを救うために、すべての登場人物をシナリオ通りに動かすことで、あくまで役者として存在させることで、悲しみを取り払わせる魔女という設定であった。 
-これはTV版ではなくなったが、興味深い設定だったと思う。+これはTV版では消えたが、興味深い設定だったと思う。
-世界から悲しみをなくすのは、作家の描いたシナリオ通りに人々が動き、役者化することなのだ。+作家の描いたシナリオ通りに人々を動かし、役者化することで世界から悲しみをなくすこと。
そう考えると、叛逆の物語における、ほむらの都合の良い妄想は、実は、まどか☆マギカという物語が最も初期から構想していた、ワルプルギスの夜の、形を変えた再演だったことがわかる。 そう考えると、叛逆の物語における、ほむらの都合の良い妄想は、実は、まどか☆マギカという物語が最も初期から構想していた、ワルプルギスの夜の、形を変えた再演だったことがわかる。
-ほむらが夢見たように、敵はしょせんは悪夢であり、5人が仲良く、決められた手順で倒していく・・+ほむらが夢見たように、敵はしょせんは悪夢(ナイトメア)であり、5人が仲良く、決められた手順で倒していく・・
-自分の友人たちを自分の妄想に引き込み役者と化すことで、ほむらは、自身の妄想のなかで、劇作家として、魔法少女たちの物語を構成し、悲しみのない世界を作り上げていたわけだ。+自分の友人たちを自分の妄想に引き込み、役者として動かすことで、ほむらは、自身の妄想のなかで、劇作家として、魔法少女たちの物語を再構成し、悲しみのない世界を作り上げていたわけだ。
-つまり、まどか☆マギカは、叛逆の物語によって、もっとも初期から構想していたであろう、ワルプルギスの夜の仕掛けを実現しつつ、神と悪魔の物語にステージを変えた。+つまり、まどか☆マギカは、叛逆の物語によって、もっとも初期から構想していた、ワルプルギスの夜のクライマックスの仕掛けを実現しつつ、神と悪魔の物語にステージを変えたわけだ。
さて、話を変え、日本のマンガ、アニメ史から見ると、神vs悪魔の物語は、結構ありふれた題材でもある。 さて、話を変え、日本のマンガ、アニメ史から見ると、神vs悪魔の物語は、結構ありふれた題材でもある。
Line 119: Line 147:
虚淵さんは言う。 虚淵さんは言う。
- 同じ教室に神様と悪魔がいっしょにいる学校はちょっと面白いですよね。 + 同じ教室に神様と悪魔がいっしょにいる学校は 
- これを手がかりにして様々な人が新しい物語をつくってもらえればうれしいですね。+ ちょっと面白いですよね。 
 + これを手がかりにして様々な人が新しい物語を 
 + つくってもらえればうれしいですね。
 誰もがその続きを考えたくなるような作品。  誰もがその続きを考えたくなるような作品。
 そういう作品にしたいと思っていたんです。  そういう作品にしたいと思っていたんです。
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