ページへ戻る

− Links

 印刷 

10.カカシのカブとは何者なのか のバックアップ差分(No.1) :: アニメの部屋

xpwiki:10.カカシのカブとは何者なのか のバックアップ差分(No.1)

  Next »[4]
1: 2013-07-24 (水) 22:07:30 yasuaki[c.nKQzO17dc] ソース[5] バックアップ No.1 を復元して編集[6]
Line 1: Line 1:
 +10.カカシのカブとは何者なのか?
 +映画で若干謎が残る存在として、カカシのカブと犬のヒンがあります。
 +そのうち、カカシのカブは、実は隣の国の王子だったことがあかされます。
 +これは、小説版とは明確に異なる設定です。
 +
 +小説では、カカシや犬(犬になったり人になったりする犬人間として登場)は、実は国王の弟のジャスティン殿下や魔法使いサリマン(映画とは異なる設定)といった人間達が、荒地の魔女によって変身させられた姿なのです。
 +
 +同じような存在として、カカシと犬のほかに、小説では頭蓋骨も登場します。
 +
 +映画ハウルのイメージ・ボードを見ると、テーブルの上に頭蓋骨がのっていたりもしますから、ある時期、小説に近い展開も考えられていたことがわかります。
 +
 +ところが、最終的な映画では、ご存知のように、かかしは隣の国の王子、犬のヒンは謎の存在となります。
 +
 +なぜでしょうか?
 +
 +あまり語られませんが、宮崎作品の大きなテーマは、「純粋な機械が、少女に助けられて人間になっていく」というものです。
 +
 +詳細は私の[[ハウルの動く城論:http://anime-room.jp/modules/xpress/%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%81%AE%E5%8B%95%E3%81%8F%E5%9F%8E%E8%AB%96/]]をお読みください。
 +
 +そのような観点でみると、カカシのカブのエピソードというのは、宮崎作品の真髄を体現していることがわかります。
 +
 +初めは、ただの物であったものが、少女に助けられて命を持ち、純粋無垢に少女を助けようとつとめ、最後は美しい人間になっていく・・
 +
 +カカシのカブの設定が小説とは全く異なる物語に変更されたのは、少女に息を吹き込まれるカカシという設定が、宮崎監督の作品モチーフにとって、本質的な物語に非常に近かったためと考えられます。
 +
 +あのエピソードの中には、宮崎アニメ全作品のエッセンスが凝縮されているのです。
 +
 +[[ハウルの動く城の部屋:http://anime-room.jp/ghibli/%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%81%AE%E5%8B%95%E3%81%8F%E5%9F%8E]]に戻る
  Next »[4]