以下は、アニメージュ80年8月号のイデオン特集より、富野監督の発言のみ抜粋したものです。 キャラのネーミングの由来は? コスモ、ベス、デク、カララ、ギジェ・・ ”イデオン”に登場するキャラクターは、いずれも”聞いたこともないような”名まえだ。 このネーミングはどうやってつけられたのだろう。 富野 今回のキャラクター名は、インターナショナルにしたいと思ったんです。 そこで、アメリカ、ドイツ、フランスなどの代表的な名まえのベース(基本となる母音と子音の組み合わせ)を350種くらい集め、整理して作りました。 ま、ぼくがなじめないとイヤなので、かなり独断と偏見が入ってきますよ。 参考までに、文芸設定の並木敏さんの話をきいてみると・・。 並木 あれはね、じつをいうと、富野さんのコレクション、バニー・ガールのグラフ誌にのっていた名まえを引きだしたんです。ハハ、中年ってイヤラシイですねェ(大笑)。 さて、イデオンでは何を描くのか!? 「人の心の中の、正義、フロンティア精神を描いていくのが、この作品の基本テーマです」 企画書には、こう記されている。”ガンダム”では、戦争という極限状態を通じてニュータイプを描いた富野総監督のこと、今回は何をたくらんでいるのだろうか!? 富野 0歳から18歳のごくふつうの少年たちが、どう生き、そしてどう成長するかが”イデオン”のドラマの基本となります。 その少年たちがどんな状況でどう変わっていくかがポイントですね。 つまり”環境”と”人”とのかかわりあいがどうなるか・・これは、われわれがふつうにすごしている”因果律”ではすまないのではないか・・・そう考えて作っています。 (と、ここで再び並木敏さんが解説してくれた。 ”つまりね、因果律っていうのは、わかりやすくいうと、富野さんがいい女とめぐりあえないのはなにか理由があるんじゃないかってことね。ひょっとしたら、別の世界では女にモテモテかもしれないっていう中年のかなわぬ願望なのよ” ”ええ、どうせそうですよ”とイジケ気味の富野さん) いまから最後の話をするのもなんだけど、ラストシーンは”宗教画”のように、感動を持って終わりたい。こう書いてもらって、はたして見ぬく人がいるかな・・・・?
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