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宮崎駿監督からの批判 :: アニメの部屋

xpwiki:宮崎駿監督からの批判

宮崎駿のエヴァンゲリオン批判(1997年)
(参考)「風の帰る場所」より一部抜粋、ニュータイプMK2、デラべっぴん

エヴァンゲリオンのヒットと、庵野監督からのジブリ批判を受け、「もののけ姫」には一種異様な気合がはいっていた。ニュータイプMK2での「ポスト・エヴァンゲリオン特集」では、一言もエヴァンゲリオンについて触れず、「もののけ姫」についてのみ語っていた。「デラべっぴん」の特集でも、エヴァンゲリオンについては「見ていない」としかコメントしなかった。以下は、数少ないエヴァ批判の明言である。

「僕は、人間を罰したいという欲求がものすごくあったんですけど、でもそれは自分が神様になりたいんだと思ってるんだなと。それはヤバイなあと思ったんです。

それから、『新世紀エヴァンゲリオン』なんかは典型的にそうだと思うんだけど、自分の知っている人間以外は嫌いだ、いなくてよいという、だから画面に出さないっていう。そういう要素は自分たちの中にも、ものすごくあるんですよ。

時代がもたらしている、状況がもたらしているそういう気分を野放しにして映画を作ると、これは最低なものになるなと思いましたね。むしろ、全然流行らない人々とか、ドンくさいものに立ち入る部分をはっきり持たないと、その上で人間はなにをやってるのかということを問わないと、これはエライことになるなと思ったんです。

それが、庵野と僕の違うところなんでしょうけれど・・それは、僕が歳をとっているせいか、安保世代だったせいか知りませんけれど」

−庵野さんもまだ途中ですからね。全然違うと思いますけれど。

「あいつは実は古典的な人間だと僕は思っているんですけれどね(笑)。無理してるところがあると思ってるんです(笑)。確かに群集シーンを描くのって嫌ですからね。手間ばかりかかって、見栄え悪いし。だけど、それをやっていくうちに・・人間のよい部分をなるべく描こうというふうになっていきました。

だから今回、僕は嫌な部分も描いたけれど、人間のよい部分も描いたつもりです。タタラ場にいる人間たちはいい人ばかりでなくて、愚かな部分もあるし、凶暴な部分もあるっていうふうにしないと、それは人間を描いたことにならないですから。」

−どうですか、お弟子さん、庵野秀明の『エヴァンゲリオン』は、宮崎さんから見て。

「いや、3分と観られないですね。観るに堪えないですね」

−面白いじゃないですか。

「僕はああいうもの、もういらないんですよ。最初の絵コンテ見ただけで『エライこと始めやがったな、この野郎』って思ったんですけど(笑)。”使徒”とかって聞いたときも、こりゃエライとこに突っ込むなあ、って思ったんですけど、まあ終わってよかったですよね」<

−でも、ホームページによると、「庵野も映画は2部構成にするのか、可哀想だな」とかって書いてありましたけど。

「それはだって本人からも聞きましたから。テレビシリーズのときに、どういう目に遭ったかってことをね。それで、本当に困ってたから、『逃げろ!』って言ったんですよ。

『本当にやりたくないんですよ』って言っているから、『映画なんて作るな』ってね。すべてを出し切った人間の状態っていうのは自分の経験でわかりますからね。出し切ったときにね、商売上の理由でそれを続けなくちゃいけないってなったら、どういう気分になるかって考えたら、もうこれは本当にものを作るのを続ける気なら、逃げた方がいいですよ。

自分が作ったものに縛られてね、結局大嫌いなおじさんたちの餌食になるだけですから。『おかげさまでビデオが何万本売れました』なんて、そんな最低な奴が、経済欄に顔を出すような最低の国に、日本はなったわけですからね。たまごっちが何個売れたなんてことがね、経済欄に載るなんてもってのほかでしょう」

−『エヴァンゲリオン』はご覧になってないんですか?

「だから、3分くらいは観ましたって。それで、まあいいやって。」

−それで、庵野さんに相談受けて「やめろよ」って言えるんですか?

「それは言えますよ、一般論として。庵野がどういう状態だったか聞いてましたから。

机の横にフトン敷いて、そこから出たり入ったりしてやっているっていうね。庵野のことだから、どうせ風呂入ってないだろうなとかね(笑)。それはもうわかりますよ。それよりもちょっと心配だったのは、あいつの方がしたたかだと思うんですけど、ああいうのをやってしまうと、自分の作ったものに縛られていくでしょ。

ヤマトとかガンダムとかね。そういうものに、縛られると最悪なことになりますから、なるべく自分が作ったものは、足蹴にして観ないようにして、別なことを始めるっていう・・だって、それで稼いだんだから、その金で姿をくらますこともできるはずなんですから。

それ言うと『私はスタッフを抱えてるから』なんて言うんだけど、『スタッフなんておまえのことなんか考えていないんだから、捨てて出てけばいいんだ』って言って。そういう余計なことはいっぱい言いましたけどね」

(注)宮崎監督は、ここで「エヴァンゲリオン」は3分以上観るに堪えないといっている。また、別のインタビューでは、「見てません」とも言っている。しかし、実際は見ており、最終回を見た直後に庵野氏に電話し、とにかく休むよう伝えたそうである。


Last-modified: 2013-06-18 (Tue) 08:55:04 (JST) (3908d) by yasuaki