漫画版のルパン3世をモンキー・パンチ氏が執筆始めた当初、最初の数話はアルセーヌ・ルパンの話を使っていたのだと思います。
漫画版の第一話は、数名の登場人物の中に、ルパンがまぎれており、それを、名警部(最初はそういう設定だったような・・?)銭形が見破って逮捕する話です。
そして、漫画版の第二話は、前回の続きとして、ルパンが刑務所から脱走する話です。うろおぼえなのですが、確か、長期にわたって刑務所にいて、ルパンはひげ面になり、
「俺はルパンじゃないー!」
とわめきながら、死刑直前にすり替わってにげる話です。
アルセーヌ・ルパンを好きな方ならわかるように、この漫画版の第一話、第二話は、アルセーヌ・ルパンの最初の2話を、そのまま忠実になぞっています。漫画版ルパン3世は第三話以降になって、はじめて、オリジナルネタが使われた記憶があります。
さて、ルパン3世がアニメ化されるさい、漫画版の第二話は、有名な「脱獄のチャンスは一度」という物語になりました。
ここでのルパンは、先の漫画版同様、やはり銭形につかまり、刑務所に入れられます。銭形は、ルパンは脱走するはずだという信念を持っていますが、死刑の日になってしまいます。その日まで、ルパンは、ヒゲもそらず、自分はルパンじゃない!といい続けます。
結局、看守と入れ替わって最後の最後に脱走に成功するのですが、この話は、通常のアニメ版ルパン3世とは様々な点で違和感があります。
・ルパンが銭形にまともにつかまる点
・ルパンが刑務所で1年間も動けない点
・そのため、ヒゲ面になる点
・銭形がルパンの脱走を信じている点(→これはいつも同じか・・)
ルパン本人は、自分が1年間逃げなかった理由を、プライドの問題(銭形につかまったのがショックで、復讐のため、ぎりぎりの瞬間まで待った)として説明しております。
しかし、そうではなくて、この話は先ほどもいったように、アルセーヌ・ルパンの物語をそのままパクっている(表現悪いですね・・盗んでいる といい直しましょう)のです。
だから、1年間も脱走せずヒゲ面になったのです。ちなみに、なぜ、アルセーヌ・ルパンが1年も脱走しなかったのかというと、第一話での失恋と、体調管理に刑務所生活もいいと思ったからです。
では、さらにさかのぼって、なぜアルセーヌ・ルパンが第一話でつかまったのかというと、もともと、原作者のモーリス・ルブランは、一話限りの短編として書いたからです。それが、評判良かったため、続編作って活躍させるために、第二話は刑務所から抜け出す話を作ったわけです。
さて、アルセーヌ・ルパンを第一話で逮捕するのも、第二話で、脱走を期待(?)するのも、名警部ガニマールです。彼が、そのままルパン3世の銭形警部に引き継がれたわけです。
もっとも、銭形警部は後にはかなりマヌケなキャラになってしまいました。もともとは、名警部ガニマールのイメージだったはずなのですが・・
ところが、以前スーパーチャンネルでやっていた、フランス製作のアルセーヌ・ルパンのドラマシリーズを見ていて驚きました。名警部ガニマールが、今度は銭形同様のマヌケ警部になって、笑いをとるキャラに変わっていたのです!!
これは、あきらかに、日本のルパン3世の影響が逆流して本国フランスでのアルセーヌ・ルパンものに変化を与えたのだと思います。
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