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かぐや姫の物語 :: アニメの部屋

xpwiki:かぐや姫の物語

この地で、ひとりの女性が生きた。
笑い、泣き、喜び、怒り、
その短い生の一瞬、一瞬に
いのちの輝きを求めて。

数ある星の中から、
彼女はなぜ地球を選んだのか。
この地で何を思い、
なぜ月へ去らねばならなかったのか。
姫が犯した罪とは、
その罰とはいったい何だったのか−。

日本最古の物語文学「竹取物語」に隠された
人間・かぐや姫の真実の物語。

姫の犯した罪と罰。

製作期間8年、製作費50億円の娯楽超大作。
ジブリヒロイン史上、最高の”絶世の美女”が誕生。

解説とQA ネタばれ
「かぐや姫の物語」は、映画を見ただけではわかりにくい設定がいくつかあります。

パンフレットやチラシなどを読めば大体わかるのですが、買わない人もいるでしょうし、QA形式でまとめます。

1.「姫の犯した罪と罰」とは何だったのか
映画では明確には言われていませんが、地球から帰還した女性(歌を歌っている女性)の記憶を呼び覚ましたことが問題だったようです。

姫は地球から帰還した女(羽衣伝説の1人)から、地上のことを聞いて彼の地に憧れる。
禁を破って帰還女性の記憶を呼び覚ましたことが発覚し、姫は
地上の思い出によって女を苦しめた罪を問われる。
そして罰として、姫は地球におろされることになる。
みずからもその穢れた世界で苦しむようにと。
(映画パンフ 企画「かぐや姫の物語」高畑勲より)

2.姫の罰(地球行)の条件は何だったのか
これは、断片的には映画の中でも語られています。

姫を心配した父王は、姫の地球行に条件をつける。
地球では、地球人として生まれなければならないこと。
そのとき、月での記憶は消えること。
不自由なく暮らしていけるように、仕送りすること。
もし、姫の身に危機があれば、−それは必ずあるに決まっているのだから−無意識に姫が発するSOSをキャッチして、最小限そこから抜け出させてやること。
そんな保護にもかかわらず、もし、姫が一度でも「帰りたい!」とか「死んでしまいたい」「こんなところにいたくない」とかのテレパシーを送ってきたならば、その時点で地球が穢れた世界であることを姫みずからが認めたのだから、罪の償いが終わったものとして、直ちに迎えを差し向けること。
その段階で、姫は月との交信によってそのことを知らされること。
(企画 「かぐや姫の物語」高畑勲より)

3.なぜ、映画では姫の罪と罰について詳しい説明がないのか
この点について、映画館で配布されたチラシには以下の記載があります。

私にはいまも、月での父王とかぐや姫のシーンがありありと見えています。
父王は姫の罪と罰について重大なことを語り聞かせています。
かぐや姫はうわの空で、父王の言葉も耳に入らず、目を輝かせながら、これから下される地球に見入るばかりです・・・・。
しかし、私はこのシーンを冒頭につけることはしませんでした。
「竹取物語」には描かれていない「かぐや姫のほんとうの物語」を探り当てさえすれば、プロローグなどなくていい。

物語の基本の筋書きはまったく変えないまま、笑いも涙もある面白い映画に仕立てられる。そしてかぐや姫を、感情移入さえ可能な人物として、人の心に残すことができるはずだ。

(「半世紀を経て」高畑勲より)

4.月の世界とはどういう世界なのか

そもそも清浄無垢なはずの月世界で、いかなる罪がありうるのか。

(「半世紀を経て」高畑勲より)
との記述から、清浄無垢な世界であることがわかります。

また、

清らかで美しく、年をとることもなく心配事もない月の人
女がほのめかす人間の「喜・楽」や「愛」どころか、「哀」にさえ心惹かれ

(「かぐや姫の物語」高畑勲より)

などから、月のひとは不老不死であり、感情もないことがわかります。

5.なぜ月に戻らねばいけなかったのか
映画で、かぐや姫は、地球にもっといたいと切願したことを明かします。しかし、受け入れられませんでした。

ある時点で、姫が心の中で「死にたい!」と叫んでしまったからである。
だから、そのあとでいかに姫が「まだ居たい」と言い訳をしようと、刑期は終わり、自動的にお迎えが来てしまうのである。

(企画「かぐや姫の物語」高畑勲より)

6.かぐや姫は、なぜ地球に来たかったのか

姫にとっては、月にはない地球上の自然と人とのあらゆる豊かな 
「生」を、そしてとくに「愛」を享受するためであり、
月の人たちにとっては、罰として地上の穢れを姫に体験させるためである。

(企画「かぐや姫の物語」高畑勲より)

以下、QAを追加中。

登場人物
かぐや姫(CV:朝倉あき)

捨丸(CV:高良健吾)

翁(CV:地井武男)

媼(CV:宮本信子)

相模(CV:高畑淳子)

女童(CV:田畑智子)

斎部秋田(CV:立川志の輔)

石作皇子(CV:上川隆也)

阿部右大臣(CV:伊集院光)

大伴大納言(CV:宇崎竜童)

石上中納言(CV:古城環)

御門(CV:中村七之助)

車持皇子(CV:橋爪功)

北の方(CV:朝岡雪路)

炭焼きの老人(CV:仲代達矢)

クレジット

原作:竹取物語

原案・脚本:高畑勲

脚本:坂口理子

音楽:久石譲

主題歌:いのちの記憶
作詞・作曲・唄 二階堂和美

劇中歌:わらべ唄
    天女の歌
作詞 高畑勲 坂口理子
作曲 高畑勲

人物造形・作画設計 田辺修
美術 男鹿和雄


Last-modified: 2013-11-24 (日) 08:32:21 (JST) (3813d) by yasuaki