最新ニュース
メイン | 簡易ヘッドライン |
「∀ガンダム」が会話で聞かせる、品のいい「ミリタリー趣味」【懐かしアニメ回顧録第55回】 (2019/6/23 12:00:00)
前々回の当コラムでは「∀ガンダム」がオーソドックスな「活劇」の構造を持っていること、前回では「機動戦士Vガンダム」に「御伽噺(おとぎばなし)」的な要素が混入していることを指摘した。いずれも、宇宙世紀的(というより書籍「ガンダムセンチュリー」的)なミリタリー観に対する富野由悠季監督の距離感を強調するため、逆説的に「活劇」「御伽噺」の側面をあぶり出してみた。
シド・ミード氏のデザイン画稿をまとめた大著「MEAD GUNDAM」から、富野監督のミード氏にあてた言葉を拾ってみよう。“まず、市場は保守的だということ”
“この市場の好みを端的にいえば、「ミリタリー趣味」につきます”−−巨大なバスーカやプロペラントタンクを備えた巨大人型兵器が愛好される「ミリタリー趣味」への冷静な分析と批判を読みとることができる。しかし今回、ふたたび「∀ガンダム」を取り上げた理由は、本作が鮮やかな「ミリタリー趣味」を見せてくれたからにほかならない。
続きを読む