ここは、あまりに膨大な数が出版されたために、もはや把握不能となりつつあるエヴァ本についての情報交換の場です。是非活用してください。私自身、どの本がいいのか見当もつかずにおり、一方エヴァ本出版ブームは去りつつあるため、良い本は消える前に読んでおきたいという気持ちから始めました。悪い本の紹介でも結構です。
[yasuaki]
「エヴァンゲリオン・フィルムブック(名前よく覚えてないので確認後修正予定)」
エヴァンゲリオンそのままです。だから、ビデオ持っていれば不必要、と一瞬思ってしまいそうですが、そんなことはありません。テレビでは気づかなかったカットが必ず見つかるとともに、公認(?)用語解説および、資料集までついています。私はこの本の価値を知らなかったので買ったのはつい最近です。7冊だか9冊だかが今のところ出ていますが、私は3冊買いました。
「EVANGELION ORIGINAL」(全3巻)富士見書房
脚本集です。大体テレビと同じですが、微妙な違いに驚くこともあります。ジオフロントを作った第一先住民族の話も一言でております。20話の題名が「シンジ誕生」だったりもします。エヴァのストーリー生成過程を探るには、欠かせない本です。そういうことに興味ない人には不要かもしれませんが。
「コミック版エヴァンゲリオン1〜4巻」角川書店
エヴァンゲリオンのキャラクターを手がけている貞本義行氏による、少年エース連載中の漫画版エヴァです。関係者のインタビューものっており(第1巻は庵野監督)、いろいろと興味深いです。物語は、ほぼテレビ版と同じです。また、貞本氏によるものだけに、キャラがテレビと同じでとてもいいです。ただし、ノリが、微妙に異なります。あと、テレビ版では出てこなかったエピソードもたまに出てくるのですが、貞本氏が自分で作ったものと、エヴァの企画段階では(テレビでも)存在していたけど削られてしまったものの、2種類あるようです。例えば、シンジが第3新東京にやってきた時にすでにレイがエヴァ零号機にのって戦っているのですが、これはもともとテレビ版でもそうなる予定でした。
「Newtype100%コレクション 新世紀エヴァンゲリオン」角川書店
絵と資料がいっぱいです。謎解き面から興味深いのは、テレビ局に対するプレゼン用の企画書がそのままのってることです。テレビ版とストーリーは大きく異なり、人類は使徒に破れ、補完計画は完遂されないようです。幻の遺跡アルカ、という単語も見えます。
「新世紀エヴァンゲリオン劇場版[DEATH編]」角川書店
DEATH編のフィルムブックです。DEATH編をみたことがないひとのためにご説明しますと、DEATH編は時系列に沿っていない、テレビ1話〜24話までの総集編です。そのため、この映画を総集編だと考えて初めて見た人には、何が何だかわからなかったと思われます。エヴァが限られた範囲でのブームに終わった一因でしょう。98年春にやる総集編は、おそらく時系列に沿った形でまとめられると思います。角川の目論見どおり(?)、今から広い範囲のブームを起こすことが可能でしょうか。なお、もうひとつ重要なのが、この映画はセリフが多重でしゃべられていたシーンがけっこうあり、誰が何言ってんのか、よくわからなかった点です(とくに、冒頭のセカンドインパクト)。私は、このフィルムブックをみて、初めてセリフを理解しました。その意味で重要なフィルムブックです。なお、劇場版のフィルムブック3作は、TV版のものと異なり、解説および設定資料ははいっていません。そのかわり、全セリフ収録です。
「THE END OF EVANGELION 新世紀エヴァンゲリオン劇場版[AIR]」角川書店
夏にやったものの、前編です。みていない人のために一応ご説明しますと、夏の映画「THE END OF EVANGELION」は、テレビ版25、26話の差し替えバージョンとなっております。そのため、映画館で見ているにも関わらず、「25話 AIR」「26話 まごころを君に」というように完全に2部構成となっております。これはその前編です。最初の方は、春にやった「REBIRTH編」とほぼ同じです。なお、ゲンドウとリツコの対決シーンでのゲンドウの言葉(「本当に」とか)が抜けていると思われます。
「THE END OF EVANGELION 新世紀エヴァンゲリオン劇場版[まごころを、君に]」角川書店
夏にやったものの、後編です。第26話にあたります。特にセリフ上の問題点は無いと思われます。ただし、いろんなイメージが多重で現れるシーンなどは、削られたカットが多そうですが、これは仕方がないでしょう。LDなりDVDなりで確認するしかないです。
「サターン版エヴァンゲリオン」
エヴァゲーム第一作です。初めてやったときはとても感動しました。まさしくエヴァです。これに入っている歌も名曲(?)です。この曲は、春発売されたCD(すいません名前忘れた)のなかの、庵野監督原作のエヴァの話とリンクしているかのような、なつかしいものです。エヴァの本質の一面を表していると思います。
「サターン版エヴァンゲリオン セカンドインプレッション」
エヴァゲーム第2作です。世の中では、1作目よりもずっと評判よいのですが、私のサターンではなぜか第1作より絵も音も劣る。アニメ描画がおそいというのか、コマが少ないというのか。絵がぶれてかき変わるというのか。サターンのロット障害か?事情知ってる方教えてください。音楽CDも入っていますが、私は前作の、レトロな曲の方が好きです。
[moowinさんご推薦]
わたしが最近呼んだエヴァ本の中で、心理学的アプローチの本ではこれが決定版だろうと思う本をご紹介します。
「エヴァンゲリオンの深層心理『自己という迷宮』」(阿世賀浩一郎、三修社)
この本は、夏の映画のシーンも含めて、各々の登場人物の性格分析
から始まって、その心の動きを丁寧に追って行く形になっています。
それにより、この映画の描いている誰もが持つ心の葛藤;摩擦;障害
を見事に浮き出すことに成功しています。シンジやアスカの心の叫び
に多かれ少なかれ共感してエヴァを見ていた人は、このアプローチに
納得するのではないかと思います。
[春たまのたかしさんご推薦]
謎本のことですが、
「エヴァンゲリオン鑑賞と解釈」(八幡書店)
っていう教科書みたいな名前と装丁の本が
個人的には面白かったです。
[yasuaki]
「エヴァンゲリオン・スタイル」第三書館
論文そのものは私の好みに合わず(宗教・神話・精神分析系の話がまったく無いため)、リミックスとしてのエヴァンゲリオン・スタイルという考え方も私と違いますが(私は、キリスト教神秘主義をを系として考えられる限り進めば謎はあんまりないと思う)、でも、けっこう気にいってます。一番の理由はいろいろな絵がいっぱいのっていており、それらが面白いからです。宗教・神話ベース解釈が嫌いな人には、とても合っているかもしれません。
「エヴァンゲリオン快楽原則」第三書館
いろいろ雑誌にのったエヴァ評論文を集めた本です。いろいろな視点からの、いろいろな人の考えがわかります。一言で結論だすと、学者というのはエヴァの前では無力だなー、という感じです。この本自体は、評論好きにはとてもいい本です。謎解きなどは、いっさいありませんが。有名な野火ノビタ氏のものが、私とは考えが違うにも関わらず、一番感動でした。
「エヴァニュース」
本屋で立ち読みしたとき、一瞬嫌悪感が生じたが、結局買ってしまいました。くだらないですが、けっこうすごいです。ただ、ひたすら笑うためのものです。2015年の新聞という設定なのですが、芸が細かく、エヴァエピソードをほぼ覚えている人なら、間違いなく楽しめます。13話(だっけ)の使徒進入のNERV公式発表「納豆菌の増殖による事故だった」。終わりの方の見出し「カヲル君 使徒だった」など。まだ、パラパラ見ただけなのですが、細かく見ていけば、相当楽しめそうです。ひまつぶしに最適(?)。
「エヴァンゲリオン用語辞典 第1版」八幡書店
受験参考書のような、エヴァ用語集です。収録語数はすごいです。誰でも、エヴァを見ていてわからない単語、見逃した単語の10や20はあると思いますが、これがあれば、大体OKです。ただし、発売時期が古いため、夏の映画(春のもかな?)は対象外です。また、自分が比較的よく知っている分野については、説明の浅さが目立ちます。各種辞典からの寄せ集めであるため、しかたないとは思いますが。また、間違いと思われるものもたまにあります。いろいろ欠点を書きましたが、基本的にはとてもいいと思います。是非、大幅パワーアップの第2版を出して欲しいものです。
[ヒロシさんご推薦]
サタンとプロメテウスの件がP.K.ディックの”ティモシー・アーチャーの転生”みたいでそう考えるとサタンも格好エエですね
ディックからの連想する事といえば弐号機以降の血が青いこと。
血が青い→魚介類に近似?魚=キリスト教では聖なる物の象徴。また天国の門を守る巨大魚とかいたよーな?(バハムートだっけ???)
ゆー事で(人間を含めた)使徒からヘヴンズゲートを守る者ゆーのはどうでしょうかね?
[吉田 靖さんご推薦]
雑誌からの引用で恐縮ですが、ネタ本としてブラッド・ミュージック
を挙げているものがありました。僕も昔読んだのですが
(作者は忘れてしまいました。)確かに、人が溶け合って、
一つになる感じが似ているようにも思えます。
BLOOD MUSIC
グレッグ・ベア 早川書房SF
北極の神秘主義/極地の神話・科学・象徴性?ナチズムをめぐって
ジョスリン・ゴドウィン 工作舎
過去に伝言板に紹介しましたが、ヨーロッパのインチキな神秘主義者達の
紹介がされてます。でもトンデモ本のような嫌みなところがないので、
楽しく読めます。科学信奉に過ぎる人達も神秘主義者とあまりかわらな
いように僕には見えますがこの作者はバランスのとれた人です。
象徴哲学大系 全4巻
マンリー・P・ホール 人文書院
これも過去に紹介済みですみませんが、非常に多くの事柄をカヴァーしてます。
いわゆるメーソン系の人ですが、セフィロトの樹やカバラ全般について非常に詳
しく書かれています。この本の挿し絵(第4巻)からオープニングのCGが作られて
います。
[福田 有希さん ご推薦]
「喪神の碑 全5巻/津守 時生」は、精神感応テレパシーを持っていて、言葉で互いの思考を伝えなくてもお互いの感情が理解できてしまうラフェール人と言う宇宙人が出てくるのですが、ラフェール人は精神が満ち足り、何に対しても関心を抱くことが無く、食欲などの欲求が無くなって、何もしなくなり、仕舞には緩慢的に自殺へ向かっていた種族を「ウロボロス」という組織が滅ぼしてしまうのです。そのラフェールの生き残りの王子がラフェール星再建へ向けて闘うという、娯楽小説です。天使と悪魔と言う概念が出てきていること、ラフェール星をとりまくラフェール人の巨大同一精神ネットワークが補完された世界を連想してしまいました。
「ぼくを探しに」、「続ぼくを探しに ビック・オーとの出会い」(著:シェル・シルベスタイン 訳:倉橋 由美子)は欠けた部分を探しに行く「ぼく」の話です。「ぼくを〜」はかけらを探している欠けている方の話「続ぼくを〜」はかけら自身の話です。「欠けた部分を補う」=補完を連想してしまいます。でも、「ぼくを〜」では、かけらが手にはいるのですが、完全な円になれた「ぼく」が幸せなのかどうなのかは少々疑問に思う辺りもエヴァに似ているなと思いました。
[RYU666さん ご推薦]
「ドグラ・マグラ」ってゆう本があるんですけど、
エヴァの映画みて真っ先にこの本思い浮かべました。
内容は、脳髄は物を考えるところにあらず、ってことなんです。
うまく説明できないんですけど、
細胞一つ一つに意志があって、それを一つにまとめて
うまく処理してるのが脳髄なのであって、
それ自体が考えているわけではない
ってゆーかんじの考え方がでてくるんです、その本の中で。
他にも、進化・胎児の夢 なんてゆーことばもでてくるし・・・・
人工進化研究所って出てきましたよね、たしか。
「人間を細胞とする生物」
とゆーイメージを、ドグラ・マグラを読んでいた僕はうけました。
面白い本なので、是非読んでみてください。
読む人は、必ず一度は精神に異状をきたす、なんてゆーよーなこと
いわれたりしてる本です。
[yasuaki]
アーサー王物語 グリーン編 岩波少年文庫
これは、美しいキリスト教神秘主義やロンギヌスの槍の雰囲気を味わうのにはお勧めです。
初めて読んだのは小学時代ですが、今でもいいと思います。アーサー王関係の書籍はいろいろ
あってどれがいいのか私もよく知りません。聖杯伝説を本格的に紹介した本は日本には、
あまりないと思います(あるけど高い)。ひとまず、ロンギヌスの槍も宗教系の話も詳しくなく、
でもファンタジーなどは読める人で、ロンギヌスの槍などについて思いをめぐらせたい人には
お勧めします。
最終戦争論・戦争史大観 石原莞爾 中公文庫
この本は、本来エヴァ関連というべきものではないのですが、「大日本帝国とエヴァンゲリオン」は
直接的にこの本からのインスピレーションで書いた物のため、ご紹介します。あの文章
が面白いと思った方や、最終戦争論(もしくは石原莞爾)に興味を持った方はお読みください。
最終戦総論そのものは短くて、読みやすい(講演がもとになっているため)論文です。
最近は文庫で出ているので、入手も簡単です。いろいろ考えさせられます。
聖書
これについて、いまさら何を語るべきか悩みますが、あくまでエヴァに即した紹介をしますと、
まず、旧約創世記(あきる人は、せめて楽園からの追放まで+ソドムあたり)
次に、新約の4福音書(マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネ)。あきる人は、どれか一つでいいです。
最後に、新約のヨハネの黙示録。あんまりエヴァとは関係ありませんが、せっかくだから。
なお、エヴァ関連での多大な期待はしないようにしましょう。名詞としては、リリスもロンギヌス
もでてきません(これがそれだ、というのはあります)。エヴァの宗教ネタを全て集めようとすると
かなり大変です。聖書はあくまでも、そのひとつです(最も重要ではありますが)。
しかし、純粋なエヴァファンの方にはあまり面白くないと思います。上記のアーサー王物語など
の方がいいと思います。
本屋に行けば、いろいろなバージョンがありますが、エヴァの観点からは、旧約と新約が両方つ
いてるのを選びましょう。あとは値段や好みで選んでください。