最近日本の神話に興味をもち「神道の逆襲」をいう本を読んでいたところ、本居宣長による日本神話を例にした日本人の「もののあはれ」論として次のようにありました。

(母(女神であるイザナミ)を喪失することで、いわば未完成のものとしてそのあり方を確定した国土万物ということで)
”私達のこの世界は、いわば二神の一体性の形見としてある。女神の去っていった黄泉国・死の国は、懐かしい二神一体の、根源的な一なる実在の記憶を呼び起こさせるのであり、人々の最も深い悲しみの情の指さすものなのである。それゆえ、この世界に存在するものが、本来の自己のありよ
うを実現しようとするものならば、それは必然的に二神一体の真実在の記憶をよみがえさせる営みとなる。”
(「神道の逆襲」より抜粋)

これを読んだとき、どうしても私にエヴァを思い出させました。

すると、

二神
イザナギ=ゲンドウ
イザナミ=ユイ

三貴神
スサノオ=シンジ
ツクヨミ=レイ
アマテラス=アスカ

の構造を浮かばせます。


神話を強引に当てはめてみると、

・妻恋しさに黄泉国へ行くイザナギ(ゲンドウ)
・母恋しさに泣き暮れついには黄泉国へと旅立つスサノオ(シンジ)
・天の岩戸に引き篭もるアマテラス(アスカ)
・ツクヨミ=月読=憑黄泉(レイ)
・国造りを命じるイザナギと泣き暮れて従わないスサノオ(ゲンドウとシンジ)
・スサノオのアマテラスに対する性的ないたずら(シンジとアスカ)

という感じでしょうか。


もちろん先に挙げた本からの抜粋は他の宗教や神話にも見受けられるものでしょうし、神話にもエヴァと同様に様々な解釈があります。父と子、太陽と月、トリオでのヒーローヒロインなどといったものはどこにでもありふれているものですし、当てはめた人物がそのまま違和感無くはまるというわけでもありません(そもそもツクヨミは男神だったりします)。

ただこの角度から見ると、”日本的価値観においての西洋的価値観の関係(対立、融合、利用、苦悩など)”という側面がエヴァの中で色濃く浮き上がってきます。

さらに私の論を前提に都合よく発展させていくと、日本の総氏神といわれるアマテラス(アスカ)が日本人とドイツ人とのハーフでアメリカ国籍というのは、今の日本と切り離せない関係であるアメリカ、そして西洋文明を取り入れた現在の私達の姿かもしれません。
そのアスカが復活後の世界で最初の女性となることは、新たなる価値観の土台を想像させます。

この見方の三段論法的副産物として、レイとアスカの眼帯は右目=月、左目=太陽として表しているという見方もできます(イザナギの右目から生まれたツクヨミと、左目から生まれたアマテラス。元となったと思われる中国の盤古神話では、盤古という神の右目から月が、左目から日が生まれたとあるようです。ちなみにスサノオはイザナギの鼻から生まれ、盤古では息(風と雲)となっているようです。残念ながらシンジに風、雲、息、鼻というイメージは無さそうですね)。


(参考)引用元の書籍「神道の逆襲」です。



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