アスカは何故人類の母となり得たか?
劇場版の最後のシーンで、アスカにレイと同じ包帯が巻かれてる+ミサトを思わせる黒いプラグスーツになっている事から、レイからアスカに、新たなる人類の母の資質を受け継いだような描写があります。
私はここで何故アスカに母(女神?)の資格が与えられたのか、自分なりに解釈してみようと思います。多少強引な解釈もあるかもしれませんが御了承くださいm(__)m
まず、古来において、女性=髪が長い、という固定観念があり、出典は忘れたのですが、何かの予言書に、「女が短髪になり、男と同じ格好を身にまとい(以下略)〜するとき、世界は滅びのときを迎えるだろう」というような一文があります。(微妙に違う部分もあるかもしれませんが)
つまり、古来の人は、女性=髪が長くなくてはならない、という考えがありました。(そのせいなのか、シンジがディラックの海に飲み込まれたときに助けた母親のイメージが、長髪の女性でした)
もちろん、これはある意味女性を差別する意味合いも含んでいて、現代の女性に長髪を義務付けるなどまったくナンセンスです(事実、私も短髪ですし(笑))しかし、とりあえずこの説をエヴァの世界に当てはめてみましょう。
次に、神話などにでてくる女神などは、性格がかなりキツイ女性ばかりだったりし
ます。でもこれは、いい変えれば、女神になるには、かなり強固たる自我が必要との
見方もとれます。
ローマ帝国の母親も、往々にして、我が子に対してとても厳しく接していたそうで
す。
話が変わって、エヴァの世界の母であったレイを上の説と比べてみます。
まず、髪型は、短髪であり、自我も、最初はまったく無いに等しく、後に除々に形成されていったが、強烈な自我と呼べるまでには至ってないです。
そもそも、レイ自身「作られた存在」なのであり、(貴女は、偽りの魂と体を、碇ゲンドウという人から与えられたのよ、という台詞から)かなり本来の母=女神とはかけ離れてます。(ここでは、母と女神を同義語と前提して話を進めます)
OPの「残酷な天使のテーゼ」の歌詞、「女神なんかなれないけど私は生きる」が、これに当てはまるのでしょうか?
以上の事から、次の女神の候補を、
@確固たる、強烈な自我の持ち主。
A古来の風習に則って長髪である。
Bシンジ=神児、神の子から愛されてる(または好意をもたれてる)。
以上の三点から、次の新生人類の母を探してみましょう。
まず、長髪といった点では、主要キャラの中では、ミサトとアスカが候補にあがります。しかし、ミサトは補完が発動した段階ですでに故人であり、また、彼女の年齢の29歳は、未来を担う新生人類の母になるには、歳をとりすぎてると思います。(ミサトと同世代の方、スミマセン・・)
比べてアスカは、14歳で、未来への時間があり、長髪で、かなり強固な自我の持ち主であり、(でも、貴方とだけは、絶対に、死んでもイヤ、と補完の際、融合を拒絶していた所からも伺えます)シンジ=神の子から、(少なからず)好意を持たれてる・・
以上の点から、アスカが新生人類の母になる資質を持っていて、故に、レイからその役割を受け継げたのだと思います。
無論、制作サイドから見れば、二人のメインヒロインのうち、一人がいなくなり、もう一人のヒロインのアスカに母の資格を持たせることは必然の流れで、特に意味はなかったのかもしれません。しかし、この評論では、アスカに母の資格を持たせることに意味があったという前提で書かせて頂きました。
ここまでの長文、よんで頂いてありがとうございましたm(__)m