エヴァの動力について



 掲示板でもS2機関に関する話題など盛んな論議が交わされているようですが、ここでは私がエヴァのエネルギー源について無い知恵を絞って考えてみたことを少し述べさせていただきます。


 エヴァの動力は「電力」であるとされ、実際にアンビリカルケーブルから供給される電力で稼動して戦闘したり、パイロットの生命維持を行ったりしています。

また、量産機およびゼルエル戦以後における初号機はS2機関という名の永久機関からエネルギーを供給されて動きます。

つまり、一般論的にはエヴァは「ケーブル」か「S2機関」が無いと起動できないということになっています。

私もなんとなくそういうものなのだと思って作品を一通り見てきたわけですが、あるものを改めて見たときに、一瞬エネルギー供給は必要ないんじゃないかと思いました。


    そのあるものとは、腸管です。


 劇場版エヴァンゲリオンにて、アスカの搭乗する弐号機は戦闘の末、量産機の群れに破壊され、「内臓を食いちぎられ」ます。画的には腸です。もちろんこれは、宗教的に(あるいは他の観点でも)象徴的なシーンですから深い意味は無いのかもしれませんが、この場面でエヴァには腸があるのだということが再認識できます。

 腸(消化管)とは何をする器官でしょうか。言うまでもなく、栄養分を吸収する器官です。では栄養とは何でしょうか。

細かいものでは肌が潤うとかいろいろありますが、いわゆる三大栄養素のうち、糖質と脂質(時に蛋白質も)は、これも言うまでもなくエネルギーを産生するためにあります。これらは消化され、小腸で吸収された後、各細胞に行き渡り、細胞質基質、ミトコンドリアを経てATPという物質に変換され、結合エネルギーとして貯蔵されます。

そして生物は必要に応じてこのATPを分解し、発生するエネルギーを使って生命活動を行います。

 無駄にくどい描写をさせていただきましたが、要するに通常は生命体のエネルギー源といえばこのATP、食物由来のエネルギーです。

とはいえエヴァはほとんどご飯を食べてませんので(ゼルエルぐらいですねw)、そこからのエネルギー産生はしていないと考えてもいいわけですが、人間と同じ構造を持っているのに同じエネルギーを全く使えないというのはなんとなく腑に落ちません(天邪鬼なもので)。

食べ物の代わりにエヴァに栄養分を補給できそうなものはあるでしょうか。

正直、私も胸を張って推薦できるものは考え付きません。あえて言うなら、エヴァが普段ジオフロント内にとどまっているときに浸かっているあの紫色の液体でしょうか。

おそらくあれは冷却液なのだろうと思いますが、紫ですからただの冷却水ではないとも想像できます。

 冷却液については私自身もかなり突拍子もないことを言っていると自覚しておりますが、何故私がこうも代謝エネルギーの話にこだわるかと申しますと、電力もS2機関も無く動いている時がエヴァにはあるからです。

多くの方が言及していらっしゃいますように、電力が切れたとき暴走状態でエヴァがどうやって動いているのかは、明らかにされていません。ここに代謝を絡められたら面白いかなと思っています。

 もしもこの説が罷り通ると仮定すれば、私は以下のように考えます。

・ 通常の起動状態では、エヴァには本来は魂がないため、自ら「生命活動」を引き起こすことができず、外部電源やS2機関などからのエネルギー供給に頼って動くか、もしくはこういった外部からの電気的刺激によって強制的に「生命活動」を開始し、結果エヴァ自身の体組織で代謝を行い、エネルギーを産生して動く。

・ 暴走状態では、エヴァのコアとなっている魂が前面に現れるので、自力で「生命活動」を開始することができ、それまで体内に蓄えられた栄養素の代謝が行われ、そのエネルギーで動く。

 このように考えると、エヴァの三つの面が見えてきます。通常起動時はロボットとして、S2機関搭載時は使徒のように神秘的な異形の生物 (生命の実を踏まえていえば神に近い存在)として、そして暴走時はヒトとして・・・。

 ここまで駄文に付き合っていただきありがとうございました。穴だらけの拙い論理で、的外れなことも言ってしまっているかと思いますが、発想の転換の助けにしていただいたり、ああそういう考え方もあるのかとチラッとでも楽しんでいただけたら幸いです。



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