<ガフの部屋とは>
エヴァンゲリオンではおなじみのガフの部屋ですが、もともと、ユダヤの伝承にある、生まれてくる子供の魂が集まっている部屋のことです。
<セカンドインパクトより>
DEATH編冒頭では、2000年の南極地下基地が描かれています。そこは、「UN UNDERGROUND BASE 02」と表記されています。
これは、UN(国連)管轄下の地底基地が二箇所存在し、ひとつが南極であることを示しています。もうひとつは、言うまでもなく、日本のジオフロントでしょう。
さらに、
「第2層以下の作業員は、至急セントラルドグマ上部へ避難してください。」
というセリフから、ここもセントラルドグマと呼ばれていること、
「(ロンギヌスの槍を)地下に送る前に処理は必要だろ」
というセリフから、さらに地下(ターミナルドグマ?)が存在し、そこに巨人がおり、ロンギヌスの槍を刺すことになったことがわかります。
以上より、南極の地底基地は、日本のものと、ほぼ同じ構造を持つことが確認できます。
このことからまた、日本のターミナルドグマには、リリスが十字架にはりつけになっており、ロンギヌスの槍で刺されたように、南極のターミナルドグマにはアダムが(おそらく)十字架にはりつけになっており、葛城調査隊によりロンギヌスの槍で刺されたこと(これがセカンドインパクト)がわかります。
そして、この二つの地底基地の真実の姿は、
<日本のジオフロント>
25話ゼーレ「ジオフロントを、真の姿に」
冬月「人類の生命の源たるリリスの卵、黒き月、今さらその殻の中へと還ることは望まぬ」
冬月「ガフの部屋が開く。世界の、始まりと終局の扉が、ついに開いてしまうか」
<南極のジオフロント>
DEATH科学者「ガフの扉が開くと同時に、熱滅却処理を開始」
といったセリフからわかるように、どちらもガフの部屋です。
つまり、ガフの部屋は二つ存在したのです。
この二つはどう違うのでしょうか?
日本のものは、「人類の生命の源たるリリスの卵」と呼ばれています。ヒトの魂が生まれ、還る場所です。
南極のものは、「アダムの卵」という言葉こそでてきませんが、ミサトのセカンドインパクトについての説明「アダムを卵にまで還元することによって被害を最小限に食い止めるためだったの」という言葉が示唆するように、シトの魂が生まれ、還る場所でしょう。
葛城調査隊は、様々な目的をもって実験を繰り返していましたが、セカンドインパクト時にガフの部屋を開き、熱滅却処理を行っています。このことにより、シトの魂が生まれると同時に、滅びます。具体的に言うと、セカンドインパクト同日生まれの渚カヲルを最後にして、アダム系のシトは誕生できなくなります。おそらく、このことこそが、シトが覚醒する前に、アダムを卵(ガフの部屋)に還元し、被害を最小限に食い止めるため、という考えの元になるものでしょう。(セカンドインパクトについての詳細は別論・・作成中)
リツコのセリフ「ガフの部屋はからっぽだったのよ」という言葉も以上の観点から初めて理解できます。人類のガフの部屋は、からっぽではありません。そのことは、セカンドインパクトの年に生まれたシンジ達の世代の後にも、トウジや委員長に妹が存在することからもわかります。それにもかかわらず、リツコが
「本来、魂のないエヴァにはヒトの魂がやどらせてあるもの」
「みんなサルベージされたものなの」
「あの娘しか魂はうまれなかったの」
「ガフの部屋はからっぽになってたのよ」
「ここに並ぶレイと同じものには魂がない。ただの入れ物なの」
と言っていたことから、
1.エヴァを作ろうとしたが、シトのガフの部屋がからっぽであったことから、ヒトの魂を宿らせることになった(人格移植OSおよび、魂の座=エントリープラグ)
2.レイも、ヒトの魂を宿らせるつもりは全くなく(ヒトのガフの部屋はからではない)、最初からシトの魂を(エヴァ同様に)宿らせるつもりであった。しかしシトのガフの部屋(南極)はからであったため、一人を除いて、魂のない、ただの入れ物だけできてしまった。(レイについての詳細は別論・・作成中)
といったことがわかります。
<まとめ>
ガフの部屋(魂の源)は二つ存在しました。
ひとつがリリスの卵=ヒトの魂のためのものであり、日本のジオフロントです。
もうひとつが南極のアダム系の、シトの魂のためのものです。
参考までに、このことに関連するセリフを他にもあげておきます。
25話ミサト「私たち、人間はね、アダムと同じリリスと呼ばれる生命体の源から生まれた…」
春映画予告編「誤った生命の源たるリリスの卵」
24話脚本版キール「アダムの子供である、シトは全て滅んだ。」