∀ガンダム MOONの各バージョンについて

 
moonの各バージョンについて

ターンエーガンダムといえば、名曲MOONである。
この曲の存在は、一般的なアニメのテーマソングの枠を超えて、ターンエーガンダムを表現している。
富野監督自身も泣いたラストでの使用方法は言うに及ばず、歌詞自体も富野監督(ペンネームの井萩氏名義)の最高傑作だろう。曲も、菅野よう子さんの曲の中でも私は一番好きである。


しかし、いざ、CDを買おうとすると、どのCDにどの曲が入っているのか、わかりづらい。全部買ってしまう人はともかく、1枚選ぶとすれば、どれなのか。

私は、ただただMOONを聞きたいがために、気づいてみればCDを5枚(DVD1枚)も買うことになった。どのアルバムに入っているのがどのバージョンか、よくわからなかったのである。


ここでは、各バージョンを紹介し、これからCDを買う人の参考としたい。

オリジナル・サウンド・トラック1

これには、MOONは2バージョン入っている。

・MOON
これは、歌詞も歌も、Gabriela Robinである。
Gabriela Robinの正体は菅野よう子さん本人だと言う説もあるので、最初に作ったバージョンに近いということだろうか。
歌詞は、何だかよくわからない。
CDを買っても、歌詞はのっていない。

・MOON4/5
これは、アコースティックなインストのみのバージョンである。ディアナが、帰還するシーンで流れたものと思ってもらえればいいだろう。
アコースティックな温かみとほがらかさ、哀愁があり、私の好きなバージョンのひとつである。


オリジナル・サウンド・トラックU DIANNA & KIHEL

She’s so high

これは、シンセサイザー、ピアノ、バックコーラス(合唱)のバージョンである。メインの歌は入っていない。
MOONの中では、一番電子的な感じのアレンジになっており、ずっと変なギガギガした音が入っている(すいません、適切な語彙がなくて・・)


オリジナル・サウンド・トラックV COCOA


月の繭
これは、富野監督をはじめ、誰もが泣いたであろう、ラストに流れた曲である。
(厳密に同一ではないかもしれないが。)
歌は、奥井亜紀さん。歌詞は井萩麟さん(富野監督のペンネーム)である。
歌も歌詞も曲も最高である。
ターンエーガンダムの命そのものといっていいバージョンである。

菅野よう子さんも言うとおり、「めくるめく」とう言葉がぴったりの盛り上がりの曲である。

なお、これは、ちゃんとCDに歌詞もついている。
「山の端 月は満ち
息づくあなたの森
夏草浴びて眠る
愛おしい 横顔
おぼろな この星
大地に 銀の涙
繭たる蛹たちは
七たび身をかえる
・・以下省略」


最初の2行についてだけ、簡単に解説を書くと、
もともと、ディアナというのは、古代ローマでは、月の女神である。
ここで「あな森」というのは、「ディアナの森」という言葉とかけてあると思う。
そして、「ディアナの森」というのは、ターンエーガンダムの源泉のひとつである金枝篇の舞台である。そして、金枝篇のテーマは王権の交代である。

この歌詞が、詩として、最高度の技法を用いて編まれていることがわかるであろう。

この歌詞が、かつて、
「燃え上がれ、燃え上がれ、燃え上がれ、ガンダム」
「ふりむくな、アムロー」

とかの歌詞を書いていた人と、同一人物だと思えるだろうか?
人間は、努力し続けることによって、20年でこれほどに変わることができるのである。
まさに、ガンダムの歴史を一言で集約している歌である。
いまだに、ガンダムといえばシャアとか1年戦争でしか盛り上がれない人間に対し、20年でどれほどガンダムの世界と、富野監督が変わったのか、曲を聞かせながら説明したくなるのは私だけではあるまい。


劇場版 ターンエーガンダム サウンドトラックス 惑星の午後、僕らはキスをした

MOON 
これは、サウンドトラックの1枚目と同じ曲であるが、少しアレンジが変わっているかもしれない。
Gabriela Robinさんの歌詞と歌であり、きれいだが、やはり歌詞はよくわからない。
このCDにも、歌詞はついていない。

MOON2
これは、珍しく前奏が入っている。
歌はなしのインストバージョン。
とても美しいバージョンである。


ターンエー ザ コンサート
 <通常版>       <DVD付き版>

MOON
これは、最初に、MOON同様の歌がはいっており、途中から日本語で月の繭に変わる。
歌はオリガさんである。
歌も演奏も迫力があり、美しい。
荘厳であり、私の特に好きなバージョンである。

(DVD版)
同一ライブのの映像付きバージョンである。
曲は、CDと同じだが、歌うオリガさん、指揮する菅野よう子さんがうつっている。
また、何と言ってもバックに大きく月が映っているのが、DVDならではの素晴らしい点。

また、コスプレのディアナが、月に向かって手をあげるのもいいと思う。

MOONの世界観が曲・映像あわせて存分に味わえる。

ただし、残念なことに、収録されている映像は、曲が始まって少したったところからである。
フルバージョンを是非発売して欲しいものである。


以上、5枚のCDと1枚のDVDにおけるMOONの各バージョンを見てきた。

どれか1枚を選ぶとすれば、どれだろうか?

私見としては、TV版ラストの感動が味わえるサウンドトラック3 ココアの「月の繭」か、
オリガさんの歌や月の映像が味わえるターンエー ザ コンサートのDVD版のどちらかだろう。
(純粋に曲を味わいたい方は、DVD版ではなくCD版の方がいいだろう。最初から最後までちゃんと収録されているので。DVD版付きを買えば、当然CDも楽しめる)

このどちらを選ぶかは、TV版ラストと同じものが欲しければココア。
TV版とは違うものが見たければコンサート版という決め方になるだろう。

この2つに続くものとしては、私の好みでいえば、サウンドトラック1のMOON4/5が好きである。

そのつぎが、「惑星の午後、僕らはキスをした」のMOON2か。

もっとも、このあたりは完全に好みの世界である。

ただし、先ほどあげた2曲(月の繭、コンサートDVD)だけは、別格だと思うので、MOON好きな方は、まずこの2つのどちらかを買われるといいと思う。

 


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